
2025年3月18日から23日にかけて、一般社団法人日本精細化工産業協会は、中国の地方政府・企業と連携した産業実証・技術落地プログラムを実施しました。これまでの研究・技術交流を一歩進め、地方都市での実証・投資・生産協力を具体化することを狙いとして、上海・南京・内モンゴル自治区達拉特旗・山東省寿光市を横断して訪問しました。
今回の特徴は、協会関係企業の回訪を軸に据えた点です。南京環美科技股份有限公司をはじめとする会員企業を再訪し、設備運用や品質管理の近況を確認。改善サイクルやデータの可視化の定着状況を共有し、次の共同検討に向けて連絡体制と資料様式を整えました。併せて、入会を検討する企業の現地訪問も行い、その一社である山東聯科科技股份有限公司では、デジタル制御センターや生産・供給ダッシュボードを見学し、企業概要・主要製品・運用指標の把握を進めました。
ダラト旗では「中日化工企業プロジェクト落地研討会」を開催。化学・新素材・環境分野にまたがる案件の進め方について、まず小規模検証から着手する方針で一致し、複数の地方政府と協力意向書を確認しました。移動中のミーティングも活用し、担当窓口・必要データ・検証手順を簡潔なチェックリストに落とし込み、初動の曖昧さを減らす工夫を施しました。
寿光市では、新素材・環境関連の企業と個別商談会を実施。サンプル評価や小規模生産、規格・認証に関する相談事項を具体化し、再訪時期と資料のやり取り方法をあらかじめ取り決めました。形式的な表敬にとどめず、連絡網・共通フォーム・再訪日程という実務の土台を現地で確かめられたことが、今回の実質的な成果です。
総じて本プログラムは、回訪による信頼の再確認と、新規参加予定企業の実態把握を同時に進め、「小さく確かめる→次に広げる」ための段取りを共有できました。これにより、今後の共同検証や個別打合せへ無理なく移行できる見通しが立ち、地方発の実証と事業化に向けた下地づくりが整いました。




3月18日(火)
羽田→上海→南京
午後:南京環美科技股份有限公司訪問
夜:交流晩餐会/南京南駅前ホテル宿泊
3月19日(水)
午前:南京→鄂爾多斯(航空移動)→達拉特旗
午後:内蒙古黙鋭新材料訪問・「中日化工企業プロジェクト落地研討会」開催
夜:達拉特旗宿泊
3月20日(木)
午前:内蒙古盛匯化学 訪問
午後:MU5658便で鄂爾多斯→済南→寿光へ移動
夜:寿光藍海大飯店宿泊
3月21日(金)
午前:祥生新材料 訪問
午後:聯科科技 訪問
夜:晩餐会・寿光藍海大飯店宿泊
3月22日(土)
午前:道可化学 訪問・座談会
午後:黙鋭環境 訪問・意見交換
夜:青島国際空港付近ホテル宿泊
3月23日(日)
青島→日本 各地へ帰国
第四回会員大会は、研究や技術交流を越えて、地域経済・実証プロジェクトへの具体的な落地を実現する節目となりました。
特に内蒙古と山東の両地域での実務協議は、精細化工分野の産業連携モデルとして注目され、日中双方の中小企業が国際共同開発・共同投資を行う基盤が整いました。
本大会で得られた成果は、2025年度後半の「第五回大会」および「中日精細化工国際フォーラム」へと発展する見通しです。
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